ノルチョーピングの過去、今日、未来

北海道生産性本部の北欧視察団の皆さんと昨日訪問したNorrköping Science Park で、デジタルペン&ペーパーソリューション(高齢者訪問介護業務-by Catrel社)のプレゼンを創設者の一人、Magnus Fröberg氏から聞いた。

 

このソリューションの日本語ビデオが下にあります。

 

Catrel社はノルチョーピング・サイエンス・パークのインキュベータlead内に2003年に創設、 2004年から高齢者訪問介護業務のデジタルペン&ペーパーソリューションをスウェーデンの自治体向けに販売。2009年の利益は42万USDに急騰した。

 

事業は現在ノルウェー、デンマーク、米国に拡大しており、今年の売り上げを300万USDと予測している。

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ノルチョーピングはかつては繊維産業のまち。「スウェーデンのマンチェスター」と呼ばれ、1950年代まではスウェーデンの衣料の半分を生産していた。しかし繊維産業は壊滅。代わって雇用機会を提供したエリクソンの半導体工場なども1990年代にはも撤退し、雇用・産業の危機感が高騰した。

 

ノルチョーピングが取った戦略は、大学誘致、産学官の連携による知識産業化である。

 

リンチョーピング大学のノルチョーピングキャンパスが1990年代後半にオープン。現在は5000人の学生が学んでいる。

 

今日ではIT、メディア、ビジュアリゼーションなどが主要な産業に成長した。

 

ビジュアリゼーション、インタラクティブ・サービス、プリント・エレクトロニクスのノルチョーピング・サイエンス・パークの得意分野や企業はこのような背景から出現した。

 

5月にオープンしたばかりのVisualization Centerで、All We Areというすばらしいショーを見せて頂いた。無限の宇宙旅行、そして人間の体内のミクロの世界の可視化体験です。この作品にもノルチョーピングが生んだビジュアリゼーションのソフト企業SCISSの製品が使われていました。

 

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ノルチョーピングの人口は13万人。「ツインシティー」リンチョーピングと共にスウェーデンで4番目の都市圏を形成している。何度も訪日公演を行っている著名なノルチョーピング交響楽団など文化政策にも注力している。

 

今後ノルチョーピングがどのように発展していくのか、楽しみです。