『サラリーマン漫画の戦後史』

日経ビジネスの本書の書評を読んでぜひこの本を読んでみたくなりました。

 

バブル崩壊前のサラリーマン漫画では、『課長島耕作』をはじめ、「人柄が良ければ、上司と女の後ろ盾を得ることが出来て、ドンドン出世できる」という「人柄主義」支配的であった、と評者の速水健朗氏はいう。

 

しかし、バブル崩壊以後、サラリーマンであること、正社員であることは「最大公約数」ではなくなり、本書の後半は、そんな社会の変化、会社の変化、労働観の変化を、「働くとは何か?」という主題からさまざまなマンガ作品を通して考察していく。

 

速水氏は以下のように述べている。

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「働くとは何か」というのは、ここ10数年の日本でもっとも注目されているテーマといっていいだろう。カツマーブームやビジネス啓発本が常にベスト セラーに並ぶのも、『13歳のハローワーク』や『プロジェクトX』が話題になるのも、すべて「働く」ということに現代人の多くが疑問を持っているからであ る。

 

本書から伝わるのは、バブル以降の日本人の労働観、仕事観、家庭観の変化の大きさである。

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〈働くとは何か〉を学生さんに考えて頂く参考書の一冊に付け加えます。