増える〈労働力移民〉−スウェーデン

スウェーデン中央統計局によれば、2011年末の人口は948.1万人。

 

前年比66千人の増加でうち44千人は移民によるネット増である。

(海外からの移入95千人、移出51千人)

 

スウェーデンの在住者の中で海外で生まれた人の比率は60年前は1%、 30年前は6.7%であったが、今日は14.7%にまで上昇している。本人または両親が海外生まれの在住者は総人口の約19%だ。

 

スウェーデンはEU加盟国なので、域内からの移入は自由である。さらにスウェーデンは2008年に労働力移民についての新たな法律が施行され、〈EU域外からの移民には世界的にみても寛大〉になった。prop. 2007/08:147

 

この法律によれば、労働滞在許可を得るには、雇用主からのオファーのみが条件で、最初は期限付きだが、4年後は永住も可能である。

 

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2011年には合計93050人の外国人に滞在許可が発行された。

 

うち学生に対する滞在許可は6838人で、前年(14188人)比半減以上である。その理由はEU域外からの大学生からスウェーデンでも授業料を課すことになったからだ。

 

EU域内からの移民は23226人で前年比約5千人増加。

 

難民は2006-2007年以降減少しており、昨年は12726人に滞在許可が発行された。

 

増加しているのは、上述の背景によるEU域外からの労働力移民で、昨年は17877人であった。

 

2008年の法律については野党社会民主党や労働組合らが強く反対している。

 

LO(労働総同盟)は、「スウェーデンで清掃、レストラン業界などがEU域外から従業員を雇いたい理由は、非人道的な賃金や労働条件で働かせられるから」と主張している。