Stiftsgården i Rättvik

RättvikのStiftsgården。 Stiftはスウェーデンの教会の地域。全国が13に分けられてあり、それぞれのstiftに司教がいます。

 

レットヴィークのスティフトゴーデンは、1940年代にヴェステロース・スティフトで、教会の研修活動、青少年の安心出来る環境、そして休暇に使える施設を建設したい司教の意向で1942年から活動を開始しました。

 

そして1952年4月に現在のレットヴィーク教会の側にオープンし、ホテル、レストラン、青少年向けの活動などを行なっています。

 

月曜ー土曜のランチは写真のような素晴らしいサラダ、5-6種ものホットディッシュ、ドリンク、コーヒー、ビスケット付きで100クローナ。美味しく、お値打ちです。

 

この教会に妻の祖父母の墓があるので、時々来ますが、いつもスティフトゴーデンのランチが楽しみです。

 

今日は偶然Roland Söderberg所長とお話しする機会がありました。

彼はウプサラ大学卒の牧師さん。スティフトゴーデンの歴史や現状を詳しく説明して下さいました。

 

上述のように、歴史は第二次世界大戦中に遡ります。

スウェーデンは中立を維持していましたが、ナチスドイツに占領される危険も国民は危惧していました。ナチスに批判的な国民をスパイする動きもあり、知人友人のことも安心して話せる環境ではなかったようです。 当時”スウェーデンのタイガー”と呼ばれる国民同士のスパイ活動は止めよう、というキャンペーンもあったとのこと。スウェーデン語の"Tiger"は虎、そして”黙っている”と両方の意味があります。

 

上に”青少年の安心出来る環境”が必要だったのはこのような背景、との説明でした。

 

レットヴィークのスティフトゴーデンは年間のべ3万人の宿泊者があり、ホテルと会議事業が一番の収入源とのお話でした。全体では黒字で、余剰金は青少年活動など社会的事業に回しているとのこと。スティフトゴーデンはアウトソーシングではなく、スウェーデンの教会が直接運営しています。27人のスタッフは全てスウェーデンの教会の従業員とのこと。

 

Roland Söderberg所長に、事業の運営上、教会との関係で何か制限があるのか聞いてみました。

答えは”酒類が出せないことだけ”。

 

”スウェーデンのスティフト全てはこのようなホテル・レストラン事業を行なっているが、レットヴィークのスティフトゴーデンほど多角的な事業を行っている所はない”とのことでした。

 

宗教団体がこのような事業を独自に、成功裡に実施していること、そしてその背景など、色々学んだ一日でした。