TOYOTAの企業文化とNIPPONのブランドイメージ

ストックホルム日本人会主催講演会「海外で企業文化を創造する」。


講師は雲内崇さん(トヨタマテリアルハンドリングヨーロッパ(Toyota Material Handling )会長。

TOYOTAの動向には私も古くから関心を持ってきました。


1980年代、"Japan as number one"(Ezra Vogelの1979年の著書のタイトル)の時代、私はジェトロのストックホルム事務所に勤めていました。

 

当時のスウェーデンの産業界の関心は”日本的経営”、"QCサークル"、”カンバン、Just in timeなどのトヨタ生産方式”など。

 

スウェーデン全国でお話をさせて頂いたり、スウェーデンの産業界の方のトヨタの工場なども含む訪日視察ミッションに同行させてもらったりしたのが懐かしいです。

 

その後はバブルが崩壊し、日本経済は”失われた20年”、2010年には日本は42年間にわたり保ってきた世界第2位の経済大国の地位を中国に譲り、2015年からは人口減少社会に突入しました。

 

スウェーデンにおける経済的関心のターゲットも当然中国にシフトしてきました。例えばボルボのオーナーは2010年以来、中国資本の浙江吉利控股集団です。

 

しかし、TOYOTAは好調で、2016, 2017年はフォルクスワーゲンに抜かれているものの自動車の世界のトップグループです。

 

・トヨタ生産方式から学び、欧米ではLeanが普及しています。私の義母がお世話になっている老人ホームでもリーンを使っておられたのには驚きました。小菅竜介立命館大学教授によれば、これからは日本もサービス、ホワイトカラー分野においてリーンを学ぶべき時代だそうです。

 

・嬉しいことにNIPPONのブランドイメージは非常に高いです。


かつてトヨタ自動車の企業価値創造室長(当時)改田哲也さんのプレゼンを聞いたことがあります。


(分相応)、 (心美しく健やかに)、 (変わることをめでる)、 (家族愛)、 (人が人として出会う)の5分野で世界価値化を図る戦略、と理解しました。

 

トヨタがこれほど〈日本的価値〉にこだわっていることを私は知らなかったので、正直驚きでした。


日本独創の世界価値への普遍性にも期待したいものです。

 

小国スウェーデンのIKEAがすべての商品の名前にスウェーデン語を使い、スウェーデンカラーを全面的に表に出して成功を収めています。

 

NIPPONの高いブランドイメージを企業文化と重ね合わせて活用する戦略にも期待したいものです。