時津風部屋と高橋絵里香さん


時津風部屋の元力士、時太山(斉藤俊さん)の傷害致死事件で、逮捕された兄
弟子たちは「親方は絶対的な存在で反論は出来なかった」と言っているそうで
す。

この事件で思い出したのは高橋絵里香さんが『青い光が見えたから』の中で、
「中学校時代に暴力教師がいて、生徒の前で暴力をふるったのに、その時に何
も言えなかった自分を今(フィンランドに来てから)後悔している」、と述べ
ておられることです。

「自分では考えない、他の人が考えたことを丸暗記するだけ、周りに合わせる
だけ」、を強要してきた日本の教育は、人間としての当然の感情や常識も表に
出させない結果を導いているのでしょうか。

大学の講義の中でジョークを言っても笑ってくれないので、あとで学生に聞い
たら、「周りの学生が笑うかを確認してから自分も笑います」という、信じら
れない答えが戻ってきたことがあります。

暴行は暴行と感じ、たとえ親方が救急車を呼ばなかっても、「自分で考え、自
分で判断し、自分で行動する」人間でありたい、と思うのは私だけでしょう