日本のとるべき道

私も役員を仰せつかっているスウェーデン社会研究所の所長で友人の須永昌博
さんが、所報で大変興味深い「日本のとるべき道」論を展開されているので、
添付させて頂きます。

「日本人の4枚の上着と着物」のたとえ、そして日本の歴史は「優秀で真面目
に学ぶ生徒の歴史」にほかならない、という主張は説得力があります。

ただ、これからの日本のとるべき道、については議論の分かれるところでしょう。

須永さんは「日本人は先生の器ではない。これからも誠実な生徒であり続ける
ことが日本人の美徳」と主張されていますが、私はそれだけでは情けないので
はないか、と思っています。

私は日本的な思考の歴史的な強みは、東洋的一元論と西洋的二元論を統合し
て、全体としてとらえる見方だと考えています。まさしく、東洋、西洋の先生
に対して優秀な生徒であったからこそ可能な思考方法でしょう。

一方、西洋社会では問題が山積し、二元論社会の限界が意識されているのが現
実の社会です。その意味で、日本にとってのこれからのチャレンジは、二元論
的な考え方の限界を超え、一元論と統合したあらたな方向性を世界に示すこ
と、と期待しています。たとえば、《利他性の経済学》もこの一例だととらえ
ています。

とはいうものの、これはあくまで期待に過ぎない、現実は須永さんのおっしゃ
るとおりなのかもしれません。飲み仲間の須永さんと次回議論するネタが出来
ました。