『型破りのコーチング』

今日読んだPHP新書『型破りのコーチング』(金井壽宏・平尾誠二の対談)の感想を紹介させて下さい。 

組織のリーダーシップ、モチベーション、コーチングを考えさせてくれる良いケーススタディだ。

 平尾の、「日本人選手にはメンタルタフネスが不足している、ここぞというときの頑張りがぜんぜん違うそうだ。当事者意識が薄い」(p.39) というコメントはバンクーバー冬季五輪の結果にも当てはまる。 五輪でなくとも日本人の市民意識にも当てはまる。

 「ラグビーのような競技では、これまでのように型論で選手をコントロールするより、練習でクリエイティビティーの高い選手を育てて、ゲームでは 選手に判断の裁量権を思いきって与えるほうが、強いチームをつくるには理に適っている。」(p.52)はわが日本国のコーチングにも適用されるべき。

 平尾によればコーチのアドバイスの3つのポイントは以下である。(p.137)
・ 教えることを一つか二つにしぼり、できるだけ簡略化して伝える
・ 頑張ったらできることしか言わない。
・ それが出来たら状況が激変したことを、必ず本人が実感できる。

 河合隼雄はかつて、教育には「教える」と「育てる」の両面があるのに、日本には「教師」はいても「育師」がいない、と言われたそうです。(p.162) やはり問題は教育ですね。