『就活のまえに』中沢孝夫
説明できる自分があるか, 2010/3/8
私は日本のシューカツの現象は長続きしない、と見る立場だが、現実に苦戦している学生にこのような本を薦めたい。主な章のタイトルとポイントは以下のとおりである。
第一章 「良い仕事」と「良い職場」 では、良い職場を「長期にわたって本人が努力する限り、成長を助ける仕組みを持っている職場」と定義している。p.17
第三章 就活の決め手・この人物と働きたい では
職業人生に欠かせない次のようなテーマの重要性を説いている p.70
「会社という場所でどう生きたいのか」
「何を生きがいにしたいのか」
「何をすれば満足するのか」
「どんなことに感動するのか」
第四章 説明できる自分があるか
「私はゼミ生に専門書はもとよりのこと、小説やエッセイなどを多読させ、映画をたくさん観ることを薦めています。そうすると心の中に「大切なものを残す」作用があります。」p.82 は同感。
終章 働くということ
「誰にも属さない仕事」を率先してやることが大事。もし困難な仕事と簡単な仕事があって、どちらかを選ぶことができるなら、ためらうことなく困難な仕事を選ぶことをお勧めします。(p.185)
シューカツのまえに学生に読んでもらいたい一冊だ。
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『就活って何だ-人事部長から学生へ』森健、文春新書、2009
「マニュアル通りに面接に臨む人はいらない」, 2010/3/8
JR東海、全日空、三井物産、資生堂、東京海上日動火災保険、三菱東京UFJ銀行、サントリー、明治製菓、武田薬品、日立製作所、NTTドコモ、バンダ イ、フジテレビ、ベネッセ、電通の15社の採用担当者にインタビューをしている。これらの企業を目指す学生には大いに参考になろう。
そして、終章「マニュアルから脱するための就活五カ条」で、総括として以下を挙げている。
1 グローバル-単に英語が話せればいい、というわけではない。
2 多様性(ダイバーシティー)-生意気であれ、変人であれ、田舎者であれ、素の自分自身をうけいれるとことはあると信じて就職活動に取組んだほうが、きっとよい結果が出るはずだ。
3 ストレス耐性
4 ビジネス感覚
5 自分と向き合う 実際に採用するのは「普通の学生」がほとんど。(三菱東京UFJ銀行人事部長)15社の人事部長が口を揃えていたのは、「マニュアル通りに面接に臨む人はいらない」p.252