普天間基地移転問題のメディアや党首討論の取り上げ方を見ていて、「他にも課題山積のNIPPON。他の重要問題も扱ってほしい」と思っていた。
その一方、移転問題は、この国の将来ビジョンを設計する上で根幹となる課題も提示している。
この国が、もし米国型の市場原理至上主義、新自由主義ではなく、北欧型の福祉国家を目指すのなら、「分かち合う」精神、連帯意識が福祉社会の前提条件となる。
しかし、NIPPON人は依然〈総論賛成、各論反対〉。福祉の恩恵は受けたいが、税の引き上げには絶対反対。これでは方程式が成り立つはずがない。
普天間基地移転問題はもちろん同じ次元では考えるべきではないかもしれない。
それでも、この国の未来設計にとって「分かち合う」精神、連帯意識が大きく、そして根底的な課題であることを思い出させてくれる。
21日に刊行される『「分かち合い」の経済学』(神野直彦)も読ませて頂くのが楽しみです。