専業主婦指向への回帰?

全国家庭動向調査(国立社会保障・人口問題研究所)
全国家庭動向調査(国立社会保障・人口問題研究所)

国立社会保障・人口問題研究所が31日に公表した第4回全国家庭動向調査の結果によれば、専業主婦指向など、伝統的な家族観への回帰が顕著である。

 

調査は2008年7月に実施され、6870人の有配偶の妻の回答を対象に分析されている。

 

図のように、「夫は外で働き、妻は主婦業に専念」「家庭の重要なことは父親が決定すべき」に賛成する妻が増えている。たとえばスウェーデンではこのような質問は質問自体が理解されないか、または不適格と捉えられるだろう。

 

「男の子は男の子らしく、女の子は女の子らしく」に賛成する妻も増えている。その一方で、「夫も家事や育児を平等に分担すべきだ」に賛成する妻の増加している。

 

わがNIPPONでは終身雇用制は急速に崩壊しつつある。専業主婦指向は女性の自分のキャリアの諦めまたはそれに伴う成就しがたい願望にすぎないのではないか、と私は捉える。

 

女性のこのような判断の前提には「働くことはつらい必要悪」との労働観があるように見られる。5月19日に働く喜びの国際比較調査を紹介した。日本は23カ国中22位であった。

 

全国家庭動向調査の質問項目についても夫の方がどのように考えているのかは興味津々だ。男性へのこの種の調査結果をご存知の方は教えて下さい。

 

 

少子化は大きな社会問題だ。欧州の現状をみても、専業主婦が多い南欧はむしろ少子化が進んでいる。男女共同参画、働き方、等々社会全体のあり方が問われている。