自由、人権、民主主義と経済発展

Liu Xiaobo氏のノーベル平和賞受賞のニュースで、私はノルウェーのノーベル平和賞選考委員会の勇気と確信に感銘を覚えました。

 

Thorbjørn Jagland委員長(トルビョーン・ヤーグランド、元ノルウェー首相、外務大臣、社会民主党)は、中国からの圧力があったことも認め、「委員会は自由・人権と平和には相関関係があると確信している。(自由と人権無くしては平和は無い) 歴史上類をみないスピードで経済大国に成長した中国は、その責任を果たさなければならない」と言ってのけた。

 

ワシントンDCのロビーグループFreedom Houseは、毎年世界各国の自由、人権、民主主義についてレポートを発表しています。

 

Freedom Houseは、世界を「自由な国」(89カ国、67億の地球の総人口の46%)「一部自由な国」(62カ国、 20%)「自由でない国」(42カ国 34%)に分類しています。

 

今年1月に公表された最新の報告によれば、過去4年連続で世界の自由や民主主義が後退しています。

 

「20年前に旧ソ連やアパルトヘイトが崩壊した時にように、自由、人権、民主主義は永久に世界で打ち勝つ」という確信が薄れてきています。(Economist, "Democracy's decline: Crying for freedom" 2010-1-14)

 

その背景の一つは、中国やその追随国のように、「政治的民主化がなくとも経済発展は可能」との幻想ではないでしょうか。

 

ノルウェーのノーベル平和賞委員会の今年の選択は、その警鐘と受け止めました。