劉暁波氏のノーベル平和賞

オスロのノーベル平和賞の授賞式のThorbjørn Jaglandノルウェー・ノーベル委員会委員長のスピーチをライブで見ました。(トルビョーン・ヤーグランド、元ノルウェー首相、外務大臣、社会民主党)

 

式典の冒頭グリーグの「ソルベーグの歌」が歌われました。「あなたが帰るのを確信している」という歌詞です。

 

スピーチの全文をこちらで読むことができます。動画も見られます。

 

スピーチの間、下の部分等では国王夫妻を含む会場の出席者は総立ちで、拍手が鳴り止みませんでした。

 

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We regret that the Laureate is not present here today. He is in isolation in a prison in north-east China . Nor can the Laureate's wife Liu Xia or his closest relatives be here with us. No medal or diploma will therefore be presented here today.

This fact alone shows that the award was necessary and appropriate.

(劉暁波氏や親族が参加出来ない事実だけでも、この賞が必要で適切であったことを示している)

 

Many will ask whether China 's weakness – for all the strength the country is currently showing – is not manifested in the need to imprison a man for eleven years merely for expressing his opinions on how his country should be governed.(国がどのように統治されるべきの意見を述べただけで11年も投獄させる必要性は、中国の弱さを表現しているのではないか、と自問する人は多いだろう)

 

Liu has exercised his civil rights. He has done nothing wrong. He must therefore be released! (劉暁波氏は釈放されるべき)

 

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私はノルウェーのノーベル平和賞選考委員会の勇気と確信に感銘を覚えました。

 

中国からの圧力にもめげず、ヤーグランド委員長は、「委員会は自由・ 人権と平和には相関関係があると確信している。歴史上類をみないスピードで経済大国に成長した中国は、その責任を果 たさなければならない」と発表の時に述べました。

 

このような選択はスウェーデンでは出来なかったかもしれません。

 

エリクソン、サーブ、イケア、H&M等々のグローバル企業にとって中国市場の意義は大きく、ボルボに至っては、今年、中国資本に買収されました。

 

アルフレッド・ノーベルが平和賞だけその選考、授与をノルウェーに委ねた理由は、オスロの日本大使館資料(2009.11)によれば、以下の3説があるとのことです。

 

(1) ノーベル生存当時、スウェーデンとの同君連合下にあったノルウェーへの配慮。
(2) ノルウェーの国際紛争の仲介・仲裁、平和的解決等への貢献。
(3) 当時平和活動におおいに熱意を示していた、ノルウェーを代表する詩人であり、ノーベル文学賞受賞者(1903年受賞)であるビョルンソン(Mr. Bjørnstjerne Bjørnson、1832-1910、ノルウェー国歌の作詞者)へのノーベル自身の傾倒。

 

ノルウェーは今でこそ打ち出の小槌の北海油田などで、かつての兄貴分スウェーデンをはるかに凌駕する世界トップクラスの豊かな国。今回のようなノーベル平和賞の人選が出来る唯一の国かもしれませんね。