スウェーデンの公営テレビSVTの社会批判ルポプログラム Uppdrag Granskningが1月26日に放映したイケアの組織構造についての番組が注目されている。
世界のイケア各店はオランダの非公開企業Inter IKEA Holding S.A.社に売り上げの3%をロイヤリティーとして支払っている。番組によれば、この集積は1000億スウェーデン・クローナに達し、約20年前にリヒテンシュタインに設立されたInterogo Foundationが管理している、という。
この1時間番組をネットで見ました。番組はこの基金の実質的な管理を今でも創設者のカンプラード氏(84)が牛耳っていると疑ってリサーチしたが、その核心には迫れていない。2月3日に続編が放映される。
しかしスウェーデンのIkeaはホームページで、「Interogo Foundationは私と私の家族が管理し、部外者からなる理事会が運営している」というカンプラード氏のコメントを掲載している。
スウェーデンでの反響は2分されている。私企業であるイケアのカンプラード氏はどのように利益を使おうと自由だ、という意見。そして、スウェーデンの他の企業のようにイケアもスウェーデンで法人税を払うべき、という意見もある。
この番組についてはドイツ、米国など世界的に報じられているようだ。たとえば、Financial TimesもWrappers come off Ikea structureと題する記事を掲載した。
非上場企業イケアの組織構造は複雑で、部外者には分からない。(エコノミスト2007.8.21の拙稿)
分からないだけに知ろうとする好奇心も煽られる。エコノミストの記事で私は、①低コストの徹底追求、②デザインの力、③脱金融の経営モデル、を〈3つの強さ〉としてあげた。複雑な組織構造も強さの秘密の一つかもしれない。