どこにもない国 by 三瓶恵子

フィンランドの詩人Edith Södergran (1892-1923)の生涯について語っている本書が届きました。

 

以下は〈はじめに〉からの引用です。(pp.3-8)

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エディス・セーデルグランは日本ではほとんど知られていないが、彼女はスウェーデン語近代詩の先駆者で、フィンランド、スウェーデン両国にファンクラブを持つ偉大な詩人。 (中略)

 

エディスはフィンランド教養人にとっての”試金石”でもある。つまり、「エディス・セーデルグランをどう思うか」という問いかけへの答えによって、その人の文学的な位置が判断できるのだという。(中略)

 

彼女の最後の詩集の題は、『どこにもない国』である。彼女が生きたライヴォラ村は、現在はロシア・カレリアに属しているが、ロシアとフィンランドとの領地争いの激しい戦場となったため、何もかもが焼き尽くされてしまった。 (中略)

 

どこにもない国に生きた詩人のどこにもない国は、本当に今も、どこにもないのだった。

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本書を読んで「エディス・セーデルグランをどう思うか」という問いかけに私も挑戦してみます。ちなみに現代フィンランドを代表する詩人・作家であるビルギッタ・ブクトさんは、エディス・セーデルグランを「詩人の中の詩人」と表現しているそうです。