スウェーデン人の若者の民主主義観 by World Values Survey

World Values Surveyのスウェーデンの研究リーダー、Staffan I. Lindberg博士(ヨーテボリ大学)は、3日のDagens Nyheter紙上の投稿記事で、スウェーデンの若者の民主主義観について、驚くべき、そして憂うべき調査結果を明らかにしている。

 

調査はWorld Values Surveyの一環として、今年2-4月に実施され、1208人の回答を得た。(うち若者層は305人)

 

〈多少の現金またはプレゼントがもらえるなら、総選挙でその候補に投票してもよい〉と答えたスウェーデン人が何と7%もいたという。〈すべてがお金〉とみられているガーナの数字は9%だそうだ。

 

18-29歳の若者層では実に21%が〈多少の現金またはプレゼントがもらえるなら、総選挙でその候補に投票してもよい〉と答えている。40歳以上の年齢層では2.5%に留まっており、大きな差がみられる。

 

〈国会議員候補が、自分または近い人の就職の世話をしてくれるなら、その党に投票してもよい〉と答えた若者が28%いた。

 

18-29歳の若者の23%は民主主義国家に住んでいるかどうかはあまり関係がない、と答えている。

26%が〈スウェーデンが、国会や選挙のことを気にする必要がない強いリーダーによって統治されると〉よい、または大変よい、と答えたという。

 

なぜこのような憂うべき状況になっているのか?

Lindberg博士は16歳の娘の仮説を紹介している。「中国の経済がすごく発展していることを皆が話している。(中略) 友達は独裁制はあまり危険ではない、と思っている」

 

Lindberg博士はこのような結果の背景は分からないとしながらも、以下のような可能性をあげている。

 

・学校の民主主義教育の不備

・若者の新聞・テレビ離れ

・政党の政策の違いの不明瞭さ

 

「中東や北アフリカでは若者たちが立ち上がって独裁制を終焉させているのに、スウェーデンでは民主主義の基礎に対する脅威を感じる」と博士は記事を結んでいる。