8日に公表された2011年版労働経済白書には興味深いデータが満載されています。
私も大学関係者の一人として学生の就職難に頭を悩ましています。
リクルートが8日に公表した、2012年春卒業予定の学生の内定状況について調査によれば、6月下旬時点での内定率は49.2%と前年より6.6ポイント低下しています。
白書によれば、2010年の大卒者のうち就職も進学もしない者の割合は24.2%、4人に1人だ。(2-(2)-23図, p.131)
就職も進学もしない者の割合は、大学の学科により大きな差があり、芸術、人文科学系で高い。(2-(2)-30図, p.138)
最近スウェーデンでは社会のニーズにより大学生の奨学金の額を差別化しようとの議論があり物議をかもした。たとえば人文科学系は奨学金額を下げようとの議論であった。
大学の就職担当者による未就職者の特色は以下のような点がある。(2-(2)-37図, p.144)
・自分の意見や考えをうまく表現できない
・自信がない
・就活をスタートするのが遅い
日本の大学にとって必要なことは、グローバルスタンダードへのシフトではないでしょうか。世界で通用する人材を育成する必要があります。
学生の就活を早くスタートさせ、大学が〈就職予備校〉化することが解決策とは考えられません。
日々の授業でこれからの時代に世界で通用する人材の育成につなげるしか方法はないでしょう。