関西生産性本部は「これからの国づくりを考える~国際競争力向上と雇用の維持・創出の実現~」をテーマとして、昨年9月18日~28日の11日間、企業労使20名の方々と学識者で構成した「訪欧労使トップミッション」を派遣されました。訪問先はスウェーデン、フィンランド、ドイツの3カ国です。
このミッションの報告書〈これからの国づくり、人づくりを考える〉(2012年1月30日刊、171ページ)を読ませて頂きました。
国別のまとめ〈スウェーデン〉では、以下のポイントと提案が書かれています。
1 国家理念の明示とそれに基づく社会システムのグランドデザイン
2 雇用の最重視とそれにつながる社会の仕組み
3 国家で取り組む高付加価値産業へのシフト
4 国家と市場の役割分担
5 国民性としてのグローバリゼーション
6 国家(政治)と国民の信頼感
7 提案〈新たな時代における日本型社会システム構想〉
7-1 新たな国家理念の明示とそれに基づく日本型社会システムのコンセプトの構築、キーワードは「日本らしさの再発見:経済と道徳の両立」
7-2 政治改革 政治(家)に対する国民の関心度と信頼度の向上に向けて
7-3 経済改革 高付加価値経済の実現に向けてパラダイム転換を図る
7-4 教育改革 IQ偏重教育からEQ教育への転換で、世界に通用する実践力の強化を
7-5 労働市場の改革 日本型ワークシェアリングの推進
これからの国づくり・人づくりに向けて、以下の4つの提言をされています。
1 政労使学による国家的な危機意識の共有と連携を
2 国民の信頼の下で、決断力とスピード感のある政治・行政を
3 新産業の創出とグローバル化への対応、それを支える雇用システムを
4 責任感と自立意識を高め、世界に目を広げる教育を
すばらしい提言ですね。次の期待は具体的な〈アクション〉です。
2010年9月に北海道生産性本部が派遣した北欧社会経済調査団の認識とも共通点が多くみられます。両者のコラボにも期待したいものです。