北海道生産性本部等主催の2011年度生産性労使フォーラム「働き方のイノベーションへの挑戦」
講演①は〈非正規雇用者にも優しいワークライフバランス社会を展望する〉by 松田茂樹博士(第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部主任研究員)
具体的な提言、優先的な政策課題で印象に残ったのは、以下のような「ワークライフバランスと生産性の向上は共存出来る」との考え方です。
不断の「生産性向上」の取り組み
・労使一体で「シゴトダイエット」
・無駄・改善業務の洗い出し
・生産性向上を労働時間削減にも分配
18日の東海大のセミナーではイケア新三郷店の泉川店長は、「短い労働時間でどうして競争力が維持増進出来るか」を説得して下さいました。グローバルなイケア・グループも昨年の利益は史上最高でした。
しかし、第一生命経済研究所の調査(上場企業100社人事部長の回答)によれば、ワークライフバランスにより、生産性向上の効果があらわれた、との回答はわずか3.7% (あらわれていないが28.0%、わからないが 68.2%)でした。
この理由を私は松田さんに質問しました。「これまでの日本のワークライフバランスは、少子化対策であり、生産性の向上という意識または目的がなかった」とのお答えでした。
納得です。
それに加え、私は産業構造の「知業化」を付け加えたいと思います。
つまり、知業(知識産業、知恵産業)で競争する現在では、大切なのはトータルな労働時間ではなく、「クリエイティブ(創造的)に働いている」時間、なのです。
知業の時代では、生産性や効率の向上と労働環境の改善は二者拓一ではなく、補完関係にある、と再認識させられたプレゼンでした。ワークライフバランスと生産性の向上の共存こそが〈働き方のイノベーション〉ではないでしょうか。
講演②は「発想と差別化の型破り経営〜長期休日、残業禁止でも勝ち抜く会社とは」by 未来工業株式会社 取締役相談役 山田昭男氏でした。(『日本でいちばん大切にしたい会社2』でも紹介されています。)