校長先生募集中!(スウェーデン)

DN紙は、スウェーデンの義務教育の公立学校で、校長職の希望者が少なくて問題になっている状況を報じている。校長職には平均0.6人しか求職者がないとのことだ。

 

その背景として以下のような問題点が指摘されている。

 

・不満な生徒、事務作業の増加にクレームをつける教師、自治体から予算の締め付け、政策論争に活用したい国会議員、等々の多くの利害関係者の間の意見調整が大変。

・国からの新たな指針と同時に自治体から予算削減の要求が出ることも多い。

・スウェーデンでも私立学校の参入が増えている。私立学校に生徒を奪われると公立学校への予算が減少する状況で競争をしていく必要がある。

・スウェーデンでは1991年から公立学校の管轄が国から自治体に移管された。校長は「教育専門家としてのリーダー」と謳われてはいるが、現実は事務的な作業が増えている。

・スウェーデンの校長は平均40人の教師等のスタッフを抱えており、給料交渉も含めて人事責任を持つ。さらに、もちろん教師の教育水準に責任を持たねばならない。

 

2009/10年に西部スウェーデンで実施された公立学校の校長の労働環境調査結果("Rektorers arbetsmiljö", Arbetsmiljöverket, ISG 2011/100102)でも、これらのような問題点が指摘されている。