日本青少年研究所の〈高校生の生活意識と留学に関する調査-日本・アメリカ・中国・韓国の比較ー2012年版〉が刊行されました。
以下私が注目した調査結果です。
○ 米中韓国と比べて、自己肯定感が低く、生活満足感が低く、将来への展望が弱い、日本の高校生像が浮かび上がっています。
○ 外国への関心はあり、海外渡航経験のある日本の高校生は6割で、米中韓国と比べて最も高いにも拘わらず、留学への関心は最下位である。
○ 日本人高校生の〈内向き〉傾向は顕著ですね。 Think globally, act locally から
Think locally, act globally への時代(新谷舞子さんの説)かも。
自己評価 ⇒P20~
●ポジティブな項目全般で日本の高校生の肯定率が低い。
特に「現状をそのまま受けるほうがいい」という日本高校生が1980年24.7%、2002年42.1%、2011年の今回では56.7%(「よくあてはまる」+「まああてはまる」)と著しく増えてきた。一方、「ダメな人間」について「よくあてはまる」と答えた日本高校生が1980年の12.9%に対し、2002年30.4%、2011年36.0%と、ほぼ3倍水準にまで大きく増加した。
生活満足感 ⇒P27~
●家庭生活、学校生活、友人関係、社会、自分自身に関して、総じて米中高校生の満足感は高く、日本、韓国のそれは低い水準にある。また、6年前と比較して、米中の伸びも著しい。それに対し、日韓は6年間の伸びが非常に小さく、自己満足感に関しては、逆に減少している。
日本の高校生は国との同一感の程度が低く、日本人としての誇りもそれほど強くない。ただし、日本で暮らしていることに満足をし、他の国に生まれたい気持ちが弱い。
将来の目標 ⇒P34~
●日本の高校生の将来への展望が弱い。「高い地位に就く」「社会に役立つ」「お金持ちになる」に関しては、非常に低い値である。
外国への関心 ⇒P56~
●日本の高校生は「外国の人と話をしてみたい」が4カ国中最多で、そのほかに「外国へ旅行したい」「外国の文化や生活に興味がある」「外国の人と友だちになりたい」という思いも強いが、「外国での仕事」に対し、消極的である。海外渡航経験のある日本の高校生が6割弱で、4カ国中で最多である。
留学への関心 ⇒P58~
●日本の高校生は留学への関心が4カ国中最も低い。周りに留学している友達も少ない。「留学したいと思わない」という日本高校生が5割強で、4カ国中最多である。
留学したくない理由 ⇒P64~
●日本の高校生の場合、「自分の国が暮らしやすいから」「言葉の壁があるから」「外国で一人で生活する自信がないから」が多い。また、「面倒だから」が38.5%と、4カ国中最多である。
調査は2011年下半期に、日本2458人 米国1032人 中国2235人 韓国2292人の普通高校生を対象に実施された。