スウェーデンはクルマの運転中の携帯電話やメールの使用について一切規制がない、EUでは唯一の国です。
VTI(国立道路交通技術研究所)は昨年10月、運転中はハンズフリー携帯電話の使用を要求している国でも、長期的に交通事故への影響は確認出来ないとの報告書を提出しました。
そこでスウェーデン政府は、VTIに対して、運転中の携帯電話の使用禁止以外にどのような手法があるかの調査を依頼していました。
VTIが10日、スウェーデン政府に提出した報告書によれば、運転者の教育、広報、またスマートフォンを活用した運転者の支援などを提言しています。たとえば、学校に近づいたらスマートフォンから運転者に警告する、などです。
つまり、スウェーデンではこれからも運転中の携帯電話の使用には一切法律的な規制は導入されないようです。
ここまで世界的なトレンドに反抗するスウェーデンはある意味で「立派」ですね。
スウェーデンにはエリクソンという携帯電話メーカーがあり、かつてはこの産業の保護が政策の背景にあると言われたこともあります。しかし、昨年のソニー・エリクソンの世界シェアは2%以下に低下しています。
外国の潮流をそのまま受け入れることはせず、独自に検証をする、というやり方は立派かもしれません。スウェーデンでは、地下鉄、バス、電車、レストランなどでも自由に携帯電話が使われています。「法律による規制よりも、市民の良識を信頼する」やりかた、との解釈が出来るかもしれませんね。