渡辺保史さんの貴重なメッセージビデオ

情報デザイン,地域再生や科学技術コミュニケーション教育にご尽力された渡辺保史さんが,2013年6月15日に47歳で逝去されました。

 

渡辺先生は2012年にスタートした東海大学国際文化学部デザイン文化学科の客員教授も務めておられたので、その先駆的な取り組みや授業(情報デザイン、ファシリテーション)を少しですが垣間みさせて頂く機会がありました。

 

北海道大学CoSTEPのサイトに渡辺先生の貴重なインタビュービデオが公開されています。約18分で、2008年5月に収録されたもので以下のチャプターに編集されています。

 

00:01~ 企画を立てるときに大事にしていること
01:40~ 参加型の企画を始めたきっかけ~ハコダテスローマップの取り組み~
03:38~ 専門家と非専門家のフラットな関係を生み出し、利用するために
05:08~ コミュニケーターに求められていること
08:40~ 専門家でないからこそできたこと~アマチュアであることの強み~
10:07~ 地域に根ざした活動を始めるときに考えたこと,試みたこと
12:20~ コミュニティーを形成している人たちの魅力を生かす
14:00~ 新しいネタ(外部の知見)を触媒・新しい刺激として活用する
15:00~ 何でも道具として使う努力を惜しまない
16:15~ 対話の場に必要な適切なデザイン
17:18~ 道具の組み合わせで,新しいエキサイティングなコミュニケーションを生み出す

 

直接のおつきあいはそれほど長くはなかったのですが、このインタビューには私も注目していた渡辺先生の先駆的なキーワードが凝縮されています。たとえば以下のようなものです。

 

参加型企画、ワークショップ、「集合知」、コミュニケーター

 

今日仕事を見つけるのではなく、仕事を「発明」する必要がある時代です。渡辺先生は自らそのお手本を提示されていた気がします。

北海道産業クラスターの活動に関わっていた時に、「コーディネーター」「つなぎ役」の必要性が大きなポイントになっていました。

渡辺先生はこの役割でも先駆的なお手本でしょう。

 

さまざまなコンテクストで時代を先取りする活動をされていた渡辺先生に、心より哀悼の意を表すると共に、出来る範囲で先生の遺志を活かす努力を続けて行きたいと思います。