スウェーデンの最大野党社会民主党のステファン・レヴェーン党首は12日、大学の3学期制を推進していく方針を明らかにしました。
社会民主党によれば、現在の2学期制は以下の問題があります。
・夏休み(6月-8月中旬)が長いので、卒業までに時間がかかる。これは学生にとっても、社会にとっても損失である。
・スウェーデンの学生は基本的に奨学金/奨学ローンで生活をしているが、夏休み期間中はこれが支給されないので、アルバイトなどを探す必要がある。
・夏休み期間中は大学生が労働市場に集中し、高校新卒との競合が厳しくなっている。
社会民主党は、3学期制によって上のすべての問題が解決出来る、としています。
具体的には夏休み期間中に開講する科目を増やし、希望する学生は受講して早く卒業出来るチャンスを与えます。これにより、3年の大学教育の場合、半年、4年の教育の場合は1年間在学期間を短縮することが出来るそうです。
今年の秋の国会の予算審議で社民党は大学に夏の開講科目を大幅に増やすことを提案するとのことです。
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このシステムは日本でもぜひ検討してほしいものですね。
現在の日本のシステムでは卒業に必要な単位(124)を修得しても、文部科学省の規定で最低〈4年間在学しないと〉卒業出来ません。
現状は私の経験(文科系)ではほとんどの学生は3年までにほぼ単位を取得して、4年次は必修の演習や卒業研究だけに週に1日だけ大学に来て、他の日はアルバイトなどをしている学生が多かったようです。それでももちろん満額の高い授業料を払っています。
いうまでもなく学生の親にとっても授業料は大きな負担で、少しでも早く卒業出来るなら大喜びでしょう。
日本の大学は少子化で競争が激化しています。文科省が〈最低4年間〉の規制を緩和したら、夏休みも返上して少しでも早く卒業出来ることをセールスポイントにする大学は必ず出てくるでしょう。
日本の場合4月からの一括採用システムが問題かもしれません。しかし秋入学制度も議論されています。私自身は一括採用、終身雇用制度は長く続かないとの見方をしています。優秀で夏休みも返上して頑張る学生が半年早く秋に卒業してくれば、採用したい企業も増えるのではないでしょうか。