今朝のDagens Nyhter紙の意見欄に、Stefan Löfven社民党党首とKarl-Petter Thorwaldsson労働総同盟LO会長は連盟で以下のような興味深い調査報告の結果を明らかにしています。
1 スウェーデンの若者の失業率は1990年代のはじめには北欧でも一番低かったが、近年は最悪の状況にある。
2 スウェーデンでは福祉民営化が急速に進んでいる。学校の他、医療分野では2006年のプライマリーケアと薬局の民営化で新たな局面に入っている。ホームヘルプの民営化も拡大している。医療や社会保険への信頼度が下降している。
3 スウェーデンの貧困者(メディアン所得の60%以下)の比率は2006/07年には北欧で最低であったが、近年は北欧で最高に推移し、しかも1980年代半ば以降スウェーデンの時系列でも最悪の状況にある。
この調査は"NordMod 2030"という北欧の社会民主党と労働組合ナショナルセンターが実施しているプロジェクトの一環。北欧の政策モデルが2030年までに経験しようとしている挑戦の分析を行い、人口、移民、グローバリゼーション、将来の福祉の財源等15の報告書からなっている。
もちろん9月14日のスウェーデンの総選挙に向けた政策論争の一環ではありますが、研究者の調査に基づく事実の提供なので説得力もあり、世論への影響も少なくはないと思われます。