プロスペクト理論による消費者行動の解説 by Prof. Richard Wahlund

HUI(スウェーデン商業研究所)主催の朝食セミナー。

 

講師はRichard Wahlundストックホルム商科大学教授。(マーケティング・戦略学科長、メディア・経済心理学センター長)演題は〈消費者の行動を決める要因は?〉

 

ヴァールンド教授はプロスペクト理論(2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンらにより展開された不確実性の下における意思決定モデルの一つ)により、消費者の行動または意思決定は相対的(どこを基準点にするか)である事例を分かりやすく多く提示されました。

 

カメラの広告では、消費者はまず一番下の大きな写真に目を奪われます。このカメラが一番高級で、値段も一番です。

その次に真ん中のモデルを見、最後に一番上の一番安価なモデルに目が移ります。

 

実験の結果、大半の消費者は〈下のモデルと比べると多少機能は劣るが安い〉と真ん中のモデルを買うそうです。

 

BMWの広告は〈体験された価格 322.222SEK、実際の価格 199.000SEK〉とあり、消費者は体験価格と比べるとBMWでも〈安い〉と感じるとのことです。

 

私はプロスペクト理論の国境を越えた汎用度、文化的な違いの影響はないのか、という質問をしましたが、〈世界中ほとんどのところに行っているが、どこでも同じ行動心理だ〉との答えでした。

 

右の写真はこのセミナーの主催者HUIのポスターです。

 

 Explore (探検する)   Examine (調べる)  Execute (実行する)

 

大切なポイントを突いていますね。