Dagens Nyheter紙は〈スウェーデンにおける福祉民営化はサービスの質の改善や公共部門のコスト削減には影響がない。リスクキャピタルが勝者〉との記事を掲載しています。
スウェーデンでは1990年代から学校、保育、医療、介護などの部門で民営化(民間委託)が進んできました。
その背景は選択の多様性の拡大、競争の導入などで、キーワードは選択の自由でした。
しかし、ストックホルム大学のMarta Szebehely教授は少なくとも介護の部門では機能していない、との研究結果を提示しています。
〈介護部門では最初から選択が難しい。そして継続性が大切なので、途中でサービスの提供企業を代えることはもっと難しいのです〉
〈その一方様々な研究によれば民営化は公共部門のコスト削減にもなっていませんし、サービスの質の改善にも繋がっていません。ただし、質が悪くなっているわけではありません〉
今日福祉企業の多くはリスクキャピタル、投資会社がオーナーです。
〈これらの企業は1割ほど従業員を削り、利益を出しています〉(Marta Szebehely教授)
福祉民営化の勝者は、市民でも公共部門でもなく、リスクキャピタルのようですね。