『限界費用ゼロ社会 -〈モノのインターネット〉と共有型経済の台頭』by ジェレミー・リフキン を読みました。
出版、通信、娯楽などの業界で、限界費用ほぼゼロが現実のものとなりつつあります。具体的には
IoT(モノのインターネット)、3Dプリンター、大規模オンライン講座MOOC、再生産エネルギーなどの現象が進んでいます。
ジェレミー・リフキンによれば、パラダイムはこれまでの資本主義経済 → 共有型経済に移行しつつあります。21世紀半ばには資本主義経済に代わって共有型経済が支配的になる、と大胆に予測しています。パラダイムの変化の方向は以下のようなものです。
市民社会、NPO → Social commons 協働的コモンズ
金銭的価値 → 社会的価値
個人の利益、財の獲得 → 協働、つながりとシェア
財産権、買主危険負担、自治 → オープンソース・イノベーション、透明性、共同体指向
価値の交換 → 価値をシェアする
市場資本 GDP → 社会資本
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オットー・シャーマー氏が『出現する未来から導く』で提唱する社会4.0と通じるところがありますね。
協働的コモンズ、社会的価値、つながりとシェア、などへの市民の価値観の移行は私も常々実感しています。
Next society 次の社会はどうなるのでしょうか?
単に予測するだけではなく、つながり、協働し、シェアし、一緒に作っていくことが可能な社会のように思われます。
友達の友達の友達…を6回繰り返すと世界中の人がつながってという話があります。
フェイスブックが創業12周年を記念にユーザーのつながりを調べてみたら、15億9千万人のアクティブなFBユーザーの間では、6次どころか3.57次の隔たりで全員ひとつにつながっていることがわかりました。
このサイトにアクセスすると私自身の場合は3.34である、と教えてくれます。
Mark Zuckerberg 3.17 degrees of separation
このデータも実感を裏付けてくれ、納得できます。
リタイアしてストックホルムに移ってからは時間もあり、ネットで日本、スウェーデン、その他の友人と現役の時以上につながり、行動することが可能な状況です。距離も時差も全く障害とは感じていません。
"Global networks are connecting everyone together" (p.370 Rifkin) を実感している毎日です。