フランスでは昨年El Khomri lawと言われる法律が成立し、週末や休暇中はオフラインでいる権利が保証されているとのことです。
具体的には第25条に“The Adaptation of Work Rights to the Digital Era” (デジタル時代における働く権利の対応策)と称し、50人以上の企業に対し仕事のEメールなどがプライベートなオフタイムの生活に入り込まないような対策を要求しています。
立法の背景はフランスでも仕事関連の過労burnoutが増えていることです。
この状況はもちろんフランスだけではありません。
イギリスではバカンス中に仕事を持ち込む現象が増加して'workcation'と言われているそうです。
The New Yorker誌はVolkswagen社は勤務時間後はサーバーそのものをストップさせ、Daimler社では休暇中の社員が受け取るメールを自動的に消去してしまうことを認めている、と紹介しています。
日本では言うまでもなくkaroshi問題が過熱しています。
休暇中でも一日中仕事のメールを見てしまう人の割合は世界でもトップレベルです(グラフ)。
“staycation” という表現(どこにも出かけない、または出かけられない在宅の休暇)がイギリスにあるとのことですが、日本人に多そうですね。
"働き方"改革と共に"休み方"改革が重要、と先日書きました。
フランスのEl Khomri法第25条のような立法措置でしか日本人の休み方は変えられないのかもしれませんね。
The New Yorkerの記事は、フランス人の生産性は高く、仕事への意識は高い。米国との違いは仕事への意識ではなく、”仕事以外の生活への意識の違い”だ、と述べています。
In France, a personal life is not a passive entity, the leftover bits of one’s existence that haven’t been gobbled up by the office, but a separate entity, the sovereignty of which is worth defending, even if that means that someone’s spreadsheet doesn’t get finished on time.
フランスでは個人生活は職場でむさぼりきれなかった受動的な残りものではなく、たとえオフィスのスプレッドシートが時間内に完成しなくとも守る価値のある独自の存在なのだ。
〈余暇から求暇へ〉
と言う持論に強力なサポーターを得たり、です。
関連記事:
The plan to ban work emails out of hours (BBC Paris)
French Legislation Suggests Employees Deserve The Right To Disconnect