フィンランドで1月からスタートしたベーシックインカム制度の実験が世界から注目されています。
今回の実験は昨年11月に労働市場補助金、または基礎国民年金を受給したフィンランド人からランダムに選ばれた2000人(25-58歳)を対象に、2年間毎月560ユーロ(約70.000円)が支給されます。
つまりベーシックインカムは申請制ではなく、研究目的のためにランダムに選ばれた国民に無条件で支給されます。ニーズもチェックはされていません。ベーシックインカム以外に所得があってもその金額は変更されません。
2年間で2.000万ユーロ(25億円)かかるこの実験は3つの目的があります。
1) 働き方の変化に対応するために福祉制度はどのように変化すべきかを探る
2) より多くの国民が社会的に参加し、働く意欲を高めるためのセーフティネットをどのようにつくるか?
3) ベーシックインカムは官僚主義を少なくし、複雑な補助金制度を簡略化できるか?
フィンランドのテレビ局yleはベーシックインカムを受け取ることになった
NEWS PICKSの森川潤記者は”「全員に金を配る」。壮大な社会実験が始まった”と称する記事の中で世界的に注目されている背景として以下の二つをあげています。
① 社会保障の限界:生活保護や年金、失業保険など、20世紀を支えてきた社会保障がどんどん複雑化し、限界を迎えていること。
② テクノロジーの発展:人工知能(AI)や、機械の自動化の進展で、人間が完全雇用を維持するのが難しくなっていること。