明けましておめでとうございます。
ストックホルムに戻って早くも5度目のお正月を迎えました。
昨年は私も古希、70歳になりましたがおかげさまで今のところ健康で、近くに住む2人の子どもと3人の孫たちと楽しく暮らしております。
昨年も3度帰国し、働き方や教育についての2回のスウェーデン大使館でのセミナー、”北欧に学ぶ創造性教育ワークショップ”等有意義な時間を共有させて頂きました。また日本からのお客様も増えています。静岡県私立幼稚園協会、北海道、宮城学園女子大学などコラボプロジェクトのこれからが楽しみです。
2018年はスウェーデンと日本の国交樹立150年の記念すべき年。両国で様々なイベントや交流が予定されています。私も記念出版企画、視察ツアーなどで何度か帰国する予定です。どこかでお会いできる機会を楽しみにしております。
2017年のスライドをこちらにアップしてあります。
今春は生越玲子さんが立ち上げられたホイスコーレ札幌が何と20期、10年の偉業です。以下、ホイスコーレ札幌への大きな期待を込めて記念誌への私の原稿を掲載させて頂きます。
ホイスコーレ札幌20期のお祝い
川崎一彦(東海大学名誉教授、ストックホルム在住)
ホイスコーレ札幌20期10年、本当におめでとうございます。生越玲子代表と皆様の偉業です。衷心よりお祝いを申し上げます。19期までの受講者総数は何と923名にもなるそうです。
AI(人工知能)、ロボット、IoT、シンギュラリティなどの話題が毎日マスコミを賑わせています。技術の進展のスピードは人類がこれまで経験したことがないものです。
『シンギュラリティは近い―人類が生命を超越するとき』(NHK出版)の著者レイ・カーツワイルは、21世紀の技術革新のスピードは20世紀の200倍だと述べています。つまり今年一年の変化は20世紀の200年分にも相当するのです。
私は東海大の卒業生に、「皆さんが学んだ4年間は、私の大学時代の800年分に相当する」と言っていました。
私が東海大学国際文化学部に赴任したのは1988年、バブル経済崩壊の直前でした。そしてバブルは崩壊し、失われた20年、閉塞感著しかった平成30年の時代が終わろうとしています。
私は2013年に定年退職した後、ここスウェーデンに住んでいます
こちらからわが国を眺めると、ものすごいスピードで変わる世界の環境変化に着いていけていない日本にイライラします。
日本と北欧の大きな違いの一つは生涯学習、リカレント教育の可能性。こちらでは社会人になってからも休職して大学等で学び直すことが出来る制度があり、実際に広く活用されています。
生涯学習、リカレント教育は、個人個人には自己実現と学ぶ喜びをもたらし、マクロで見ると働く人のスキルが更新され、経済の競争力上昇に繋がっています。
北欧諸国は福祉国家として有名ですが、福祉を支えるグローバルな企業が背景にあります。ノーベル、サーブ、イケア、スカイプ、マインクラフトやアングリーバードなどのゲーム産業、レゴ、等々はよく知られています。
『LIFE SHIFT-100年時代の人生戦略』(リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著、東洋経済新報社、2016)が話題になっています。
ホイスコーレ札幌とその受講者の皆さんは、まさしく”ライフシフト、100年時代の人生戦略”を先取りしておられるのです。これからも引き続きホイスコーレ札幌の皆様が”ライフシフト、100年時代の人生戦略”を探り続けられるお姿を注視し、期待し続けて参ります。
学び続けましょう。学ぶことは楽しく、人を幸せにしてくれます。