海外在住者の住みやすさ指標 EXPAT INSIDER SURVEY 2018

 

Expat Insider Survey in 2018

という海外在住者による在住国の住みやすさ、働きやすさ指標があります。

 

実施しているのは2007年に設立されたInterNationsという団体で、世界420の都市に330万人のメンバーがいます。メンバーは本国から派遣された社員などだけではなく、一時的に住んで働いている人、留学生、結婚などの事情で移住した人なども含まれます。滞在予定期間は5年未満が32%、5年以上が19%、多分永住が32%、未定が16%です。

 

今年の調査は2月から3月にかけオンラインで実施され、187カ国に住む178の国民合計18.135人から回答を得ました。

 

Quality of Life (生活の質)、Ease of Settling In (溶け込みの容易さ)、Working Abroad (仕事の満足度、仕事と余暇、経済と仕事の安定性)、Family Life (保育、教育、家族の幸せ)、Personal Finance (個人の経済状況)の5つの指標を組み合わせて総合ランキングをつけています。

 

トップの10カ国は Bahrain, Taiwan, Ecuador, Mexico, Singapore, Portugal, Costa Rica, Spain, Colombia, Czechia

 

最下位の10カ国は United Kingdom, Greece, Italy, Peru, Egypt, Turkey, Brazil, India, Saudi Arabia, Kuwait

 

対象の68カ国中、日本の総合ランクは42位、スウェーデンは46位です。

 

スウェーデンは昨年と比べて職業生活のランクが10位から24位に後退、生活の質(14位から28位)、溶け込みの容易さでも49位から63位に下落しています。45%の外国人生活者がAt homeとは感じない(2017年は31%)と答えています。あるベルギー人は「これまで困ったことはなかったが、ここスウェーデンでは友達をゲットするのが不可能に感じる」と回答しています。

 

スウェーデンの住宅不足、住宅費が高価な事情も大きいようです。

 

日本が総合で42位ですが、生活の質が12位、溶け込みの容易さが55位、職業生活が33位、家族生活が35位、個人の経済状況が47位です。

 

北欧諸国のランクではフィンランドが23位、ノルウェーが25位、デンマークが35位、スウェーデンが上述のように46位。満足度はノルウェーが79%、フィンランド(75%)、デンマーク(73%)、スウェーデン(63%)の順です。北欧4カ国は家庭生活についての満足度は高い一方、溶け込みやすさ、物価高などが不満要因のようです。

 

この調査は自分自身の評価と比較してみると興味深そうです。私が最初にスウェーデンに住み始めたのはもう45年も前ですが、容易に社会に溶け込め、友達もたくさんできました。しかし近年は移民難民の急増、福祉制度の変化などで状況が変わってきているのかもしれません。

 

Expat Insider Survey in 2018では海外で生活している日本人にスポットを当てた分析は行っていません。もしデータがあれば日本人についての分析、もしデータがなければ、

可能な国で日本人在住者をターゲットに調査をしてみると面白そうです。

 

例えばスウェーデンにおけるスウェーデン人の日本のイメージ調査などは実施されていますが、スウェーデンにおける日本人のスウェーデンのイメージ調査という意味です。

 

海外にお住いの日本の方、ぜひ皆さんご自身の住みやすさ指標をお聞かせ下さい。