レッジョエミリア・オンライン・セミナー/島村華子先生  Online seminar on Reggio Emilia

モンテッソーリ・レッジョエミリアを知り尽くした研究者が語る誘導しない子育て

 

主催 GaiaxCommunity 

テーマはもちろんですが、"NagatachoGRiDは、人と人とのつながりを通して社会を取り巻く問題の解決を目指すスタートアップスタジオのガイアックスが、多種多様な分野の人たちが 結びつき、お互いに刺激しあい、 ともに行動するためのコミュニティビルとしてGRiDをオープンしました。"という主催者のミッションにも興味を持ち、オンラインで参加しました。

 

6月2日の参加者はオフライン、オンラインで何と500人近く。子育てや教育への関心の高さを実感させられました。

 

メインの講師は島村華子先生。
上智大学文学部史学科卒業。大学卒業後、カナダのバンクーバーに渡りモンテッソーリ国際協会(AMI)の教員資格免許を取得。カナダのモンテッソーリ幼稚園にて7年の教員生活の後、 オックスフォード大学 にて児童発達の修士、博士課程修了。
現在はカナダの大学にて幼児教育の教員養成に関わる。専門分野は動機理論、実行機能、社会性と情動の学習、幼児教育の質評価、モンテッソーリ教育、レッジョエミリア教育法。

 

プレゼンの内容はクリアーで、到達目標、条件付 vs 無条件の子育て、プロセス中心の褒め方などがとくに興味深かったです。残念ながら私はオンライン参加で、中座したのですが、参加者に考えさせるワークもいくつもありました。8月にカナダの島村先生とつないでフォローアップセミナーが予定されているとのことです。

 

過去3年間静岡県私立幼稚園振興協会に加盟する教員の研修を受け入れてさったスウェーデン南部ヘルシングボリ市の就学前教育はレッジョエミリアの思想や実践の影響を受けている部分が多いです。(みんなの教育 スウェーデンの「人を育てる」国家戦略』第1章)

 

ヘルシングボリ市の幼児教育関係者5名は今年10月に仙台や静岡を訪問して交流される予定です。

 

島村先生は「私たちの使命は、子どもたちが自身の持つすべての可能性、強さ、言葉を使って世界と通じ合い、文化による障害を乗り越える手助けをすること」というローリス・マラグッツイ (Loris Malaguzzi) 、レッジョエミリアの理論的リーダーの言葉を引用されました。

 

私の期待はまさしくヘルシングボリと日本の子どもの文化を乗り越えた交流です。

 

Q&Aタイムに、日本では「周りに迷惑をかけない子」が良い子とされる集団志向が強いが、個人主義をベースとするモンテッソーリ教育、レッジョエミリア教育法は日本でも有効か、という興味深い質問がありました。

 

6月29日には「日本人は集団主義的か?」というテーマでオンラインワークショップを開催します。「日本人は集団主義的か?」という通説は誤り、と唱える高野陽太郎・東大名誉教授の説について賛否などを日本にお住まいのスウェーデン人や日本人、スウェーデンにお住いのスウェーデン人や日本人などで意見交換します。

 

「周りに迷惑をかけない子」が良い子か、についてもこのワークショップで話題にしてみます。